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実録!本当にある「潜入捜査」

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「無間道II」情報
登場人物紹介とあらすじ

香港警察とマフィア
香港警察イロハのイ
本当にある潜入捜査

2003年12月 「無間道」の旅
まずは港威嘉禾で「3」を鑑賞!

 日本の法律では禁止されている、警察官による潜入捜査やおとり捜査ですが、香港では現実に行われています。
  香港では「組のもんだ」と名乗るだけで恐喝罪になるため、マフィア構成員は自分の身分を世間には隠しています。日本の893さんのように、組事務所を堂々と設けて代紋を掲げたりはしません。そのため活動の実態がつかみにくく、警察では仕方なく「線人」と呼ばれる情報屋や、潜入捜査官を使っているというのです。ヤンの悲劇はそこから生まれたようなものです。
 たとえば、2001年9月にはこんな事件が報道されました。警察発表なので、捜査の成果にいささか誇張があるかもしれませんが…。

マフィア組織への潜入捜査で大量検挙
 新界南総区の重案組(特捜班)は、最近[艸/全]灣区域で勢力を拡張しようとしてきたマフィア組織「和勝和」に打撃を与えるために、密かに捜査官を潜入させ、9ヶ月間内偵を進めてきた。先週土曜、組織内外で示し合わせての突破行動によって40人の男性を検挙、そのなかには「四二六紅棍」と呼ばれる高級幹部も多数混じっており、マフィアの勢力拡張を止めることに成功した。

 警察発表によると、彼らは民間ミニバスから強引なピンハネを繰り返し、中国から娼婦を呼び寄せ風俗サービスをする場所を経営し、多くの海賊版DVDやVCDを製造する工場や小売店を経営、ソフトウェアやゲーム、アダルトビデオの海賊版を深水[土歩]の黄金商場などで売りさばいていた。さらに区内の公園やビルの部屋などで非合法の賭場を開設。ディスコやカラオケで青少年に、いわゆる「K仔」「揺頭丸」などと呼ばれている覚せい剤を密売していた。
  警察はまた、この「和勝和」が利得権を巡って絶えずその他の組織と衝突を重ね、多くの乱闘騒ぎや傷害事件、器物破損などの事件を起こしていたと発表。刃傷沙汰もひっきりなしで、状況はますます悪化の一途をたどっていた。そのために2001年初頭にコードネーム「HIGHWAY」行動と称する捜査を開始、捜査官を組織に潜り込ませ、マフィアの活動情報や犯罪証拠収集に当たらせたとのことだ。

 いよいよ2001年9月22日明け方、第一波行動が実行された。新界南総区の特捜班(CID)、反黒組(組織犯罪取り締まり班)及び情報組、機動部隊隊員が一斉に突撃捜査を開始。全香港各区の50地点で手入れが行われた。捜査の重点は尖沙咀のディスコとカラオケで、さらに葵涌の海賊版製造センターを急襲、2台のパソコンと73のDVD録再機、18000枚余り、総額19万香港ドルになる海賊版ディスクを押収した。このようにして3つの工場が押収の対象になった。さらに中国から来た娼婦をあっせんする無免許のナイトクラブも突き止めた。
  捜査中に警察は「K仔」「揺頭丸」及び大麻などの麻薬・覚せい剤も押収。40人のマフィア構成員の疑いのある15歳〜26歳の男性を逮捕した。その中には高級幹部も含まれている。うち34人がすでに2000香港ドルで保釈が決定、6人がまだ新界南総区の事情聴取を受けている。

  警察は昨年にもマフィア組織に大打撃を与える大捜査を行ったが、「1羽の鶏が死んでも別の1羽が鳴く」ということわざがあるように、組織内では多くの構成員が出世を急ぎ、人材を確保して自分の勢力を固めようと学校やゲームセンターなどの娯楽場所で青少年を勧誘、退学して仕事もなくブラブラしている青少年らが魔の手に堕ちているありさまだ。


 マフィアと言っても、やることがミニバス運営に風俗嬢あっせんに海賊版制作ではセコイ!と思うかもしれませんが、現実はそんなもんです。マフィアと言ってもそうそう命を張った格闘や銃撃戦ばかりやってるわけじゃないです。モンコク旺角やヤウマティ油麻地、信和中心で、いかにもチープなペラペラの海賊版DVDが販売されていますが、公開中の作品であってもジャケットに騙されて買わないようにくれぐれもご注意を。中身は全然別だったりしますし、ヤンを追い詰めていったマフィアのみなさんの収入源になってるわけですから。
 それにしても、せっかく逮捕しても組織お抱えの弁護士が飛んできて金さえ払えば、すぐに保釈とは。 捜査員も虚しいでしょうねえ。


実録・警察内の内鬼=密通者
 2003年9月15日、世界新聞報で報じられたのは、今度は警察関係者が組織に関わっていたというニュース。

 香港には汚職取り締まりを専門とする廉政公署(ICAC)という機関が設けられているが、警察と悪人が結託して長年経営していた犯罪集団を一挙に摘発した。今回の摘発は香港内で最大の非合法賭場を取り締まっただけでなく、76人もの犯罪集団の構成員を逮捕。その中には何と、13人の現役または退職した警官も含まれていたという。この事件は香港廉政公署の近年まれに見る警官とマフィアの汚職事件となった。
 香港九龍地区の九龍青果市場は、通常香港人が「ヤウマティ油麻地果[木当]」と呼ぶ70数年の歴史ある市場。表面的には他の市場と何ら変わりはないのだが、市場の中心地には「別の洞窟」が隠されていた。

 そこにはマカオの賭博場とそっくりな非合法な賭場があり、香港「新義安」「和勝和」「14K」「水房」「東総社」及び「全一志」という6大マフィア組織が共同経営していた。毎日その賭場では50数万香港ドルが動いていて、香港最大規模の賭場となっていたのだ。
 香港の法律ではもちろん、賭場を設けることは禁止されている。しかし油麻地では複雑な社会環境と特殊な地形により、数年前から私設の賭場や売春宿があった。近年来、香港の各マフィア組織はこのヤウマティを絶好の「飲む、打つ、買う(女も麻薬も)」活動の場として利用し暴利を貪ってきた。
 その後「肥九」というあだ名の14Kの重量級幹部が各組織の幹部を招集、最終的には六大組織がこの青果市場に共同で賭場を設けることに意見が一致した。この賭場は月曜〜土曜の24時間営業で、六大組織が4時間ごとに巡回しては監視していたという。
 万一、賭場の客がここで楽しんでいるときに警察が手入れにやって来たら、賭場は「保釈金」によって賠償するという手はずもついていた。このため、客の口は堅く、警察はなかなか実態をつかめず現行犯逮捕できなかった。何とこの賭場の位置は、油麻地警察署とは2つ通りを隔てただけ。この2年、警察は何度もこの賭場を捜査したが、いつも賭けが行われている証拠をつかむことが出来ず、手ぶらで戻るしかなかった。何度も捜査に失敗するため、警察の上層部は署内にマフィア組織への密告者がいるとにらんだ。同時に廉政公署が、警察官が賭場から賄賂をもらっているのではないかとにらんで動き出す。廉政公署はこの事件のために特捜班を組織して秘密捜査を展開する。調査員は後に、西九龍区に所属する警官の末端が、マフィア関係者と密接に連絡を取り合っていることを突き止めた。調査対象の現役警官の一人は、尖沙咀で大胆にも風俗カラオケ店を開設していたのだ。(多分、デュエットしてくれおさわりもOKなホステスを常駐させ、ラブホテルに同伴もできるというシステム(^_^;))
 調査期間中、廉政公署は2人の警務部長に「飲珈琲」を依頼する。――「珈琲を飲む」とは、廉政公署内では「行話」を意味する。つまり非公式に事情聴取を進めるという意味だ。警察官の犯罪の確証がなければ、廉政公署は被疑者を逮捕できないのだ。

 狡猾な犯罪者を法の裁きにかけるため、廉政公署の調査員はさらなる行動に出る。彼らはまず、賭場につながると見られる疑わしい場所に監視カメラを設置、全ての人の出入りを記録した。その上でマフィア組織に潜入捜査官を潜り込ませ、内部から警察とマフィアの共謀の証拠と情報を集めさせた。最後には、廉政公署と警察が合同捜査を開始、警察内の密告者とマフィアを一網打尽にしたのだ。
 9月8日早朝、一斉検挙の幕が上がる。廉政公署と警察上層部は示し合わせて、西九龍地区でマフィアの一斉検挙を行うと予告した。彼らは警察が提供した、マフィア及び組織犯罪捜査班の中の疑わしい警官のリストを握っていたが、あえて彼らも捜査班に加えたのだ。目的は彼らが警戒を解き、マフィアに密告する犯罪証拠を押さえることにあった。9日午前零時、100人余りの廉政公署と警察の捜査員が油麻地の九龍青果市場を取り囲み、28人の客と賭場内のスタッフを検挙した。当然、すでに内部密告があったために重要人物は逃げ去った後だった。その後、廉政公署は今回の捜査は終結したと発表する。

 マフィア幹部とマフィアと結託していた警官が一息ついたその時こそ、廉政公署の真の捜査の始まりだった。西九龍署において、廉政公署は5人の組織犯罪捜査班の刑事と、2人の情報科員を逮捕した。続いて、廉政公署捜査員は西九龍地区の油麻地警察署、ウォンタイシン黄大仙警察署と慈雲山警察署及びマフィアと通じていた警官の自宅を急襲、多くの警官を逮捕した。同時に廉政公署は多くの娯楽スポットで捜査を続け、内偵中だったマフィア組織の重要人物を逮捕したのだ。
 廉政公署は今回の捜査で、13人の現役及び退職した警官を逮捕、うち2人は高級督察であり、1人は警察署の部長刑事であり、2人が部長刑事、4人がヒラの刑事で4人が制服警官だったという。

 逮捕者を出したのが、ラウやウォン警司が所属する西九龍警察署。まさに「インファナル・アフェア」を地でいく事件として中華圏で話題になりました。
 たださすがに「臥底=潜入」に具体的にどんな人物が選ばれ、どんな行動をして組織に信用され、どんな情報を流していたかは報道されません。もちろん身の安全をはかるため。あるいは、80歳を過ぎたような老人が「私は昔、臥底だった!」と回想記を出したりするかもしれませんがね。
  今日もどこかで、ヤンに似た男が、じっと周囲のマフィア構成員らの動向を見守っているのでしょうか…(-_-;)

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