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アンドリュー・ラウ監督(2002.12.2)

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香港警察とマフィア

香港警察イロハのイ

本当にある潜入捜査
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アンドリュー・ラウ監督インタビュー
「インファナル・アフェア」監督:私はとても美しい作品を作りました
2002.12.2. 南方都市報掲載 (謝暁 伍[ミ吉]敏)
プロモーションで来日できなかったアンドリュー・ラウ監督の、公開前のインタビューを見つけました。
聡明なおかつマーケット事情も踏まえているベテラン職人監督に、大陸の記者がかなり食い下がっています。
「インファナル・アフェア」を語るとき、その語気からはアンドリュー・ラウ劉偉強の誇りが感じられた。彼は再三、この作品は各方面の人々が尽力して作られた映画だと表明した。彼は俳優、撮影スタッフ、音楽スタッフらにとても感激したと言った。これは監督の作品であるが、また多くの俳優の陣容を備える。しかし監督の試練は、人々が将来目にすることだ。香港のこのような不景気な映画マーケットのなかで、これほどの大投資を行う勇気があろうとは。私は「インファナル・アフェア」が誠意を持った作品であることを少しも疑わない。私がまだこの作品を目にしていないとしてもだ。

縁起:「このことはとてもとんとん拍子に話が進んだ」
記者:このような物語を、あなたはどうして撮影したいと思ったのですか?
アンドリュー・ラウ(以下はラウ):当初の構想はよいシナリオに始まりました。今回私と共同で監督をしたアラン・マックが書いたものです。彼は私にプロットを見せました。あらすじは潜入捜査官の話で、読んだ後私はよく書けてはいるが特別なものではないと思いました。そこで私が多くの要素を付け加えたのです。元々は警察の人間がマフィアに潜入するというあらすじだけでしたが、マフィアの人間が警察にスパイを送り込むというあらすじを付け加えるとどんなことがおきるか? これが興味深かったのです。シナリオは昨年からずっと改訂して、今年の4月までかかりました。私自身の会社のオープニング記念作品になったのです。
記者:この作品に3000万香港ドルが投資されました。このご時世に相当な勇気が必要なことです。あなたの信頼はどこから来るものなのですか?
ラウ:実は当初は、こんなに大予算になるはずではなかったのです。多くの新人を起用すればいいと(考えていました)。しかしシナリオを改訂した後、みんな2大主役はトニー・レオンとアンディ・ラウしか演じられないと感じたのです。その後さらにこの2人だけでは足りなくなりました。シナリオには4人の主役がいたからです。そこでまたマフィアのボスと別の警察官を、重みのある人に演じてもらおうと考えました。結果はますます大ごとになり、アンソニー・ウォン黄秋生とエリック・ツァン曾志偉が手を貸してくれることになりました。それからいろいろやっているうちに二人の美女サミー・チェン鄭秀文とケリー・チャン陳慧琳が増え、それからいろいろやっているうちにまた2人のハンサム・ガイ、エディソン・チャン陳冠希とショーン・ユー余文楽が加わったのです。とんとん拍子に話が進んだというわけです。
記者:このような警察とマフィアのスパイの話は大して新鮮ではありません。あなたが最も観客を惹きつけられると考えたのは何なのでしょう?
ラウ:これは人情芝居であり、多くのプレッシャーについての映画であると考えられます。観客は、二人の主役が心配し恐れることに感情移入できます。彼らの素性が暴かれるのではないか?と恐れます。これはみんなが力を尽くした作品なのです。4人の影帝、サミー・チェン鄭秀文、ケリー・チャン陳慧琳…当然ドラマもとても吸引力のあるものです。
4大影帝:"観客により近い距離で演じる必要がある”
記者:4人の男優の演技が以前とどう異なるのか、ちょっと紹介していただけますか。もっとも好きなのは誰ですか?
ラウ:当然、2人の主役の演技が好きです。トニー・レオンとアンディ・ラウにはそれぞれの演技方法があり、心理上の演技がとても我々の要求に合っていました。トニー・レオンの役柄は基本的に自分はよい警官だと考え、ずっと法を維持してマフィアを排除することを目的としてきました。アンディ・ラウはマフィア出身です。しかし少年の頃からスパイとして培養されて来たので、情報をみんなに流す必要がありました。ある時間を経て彼は矛盾を感じ始め、よい人に戻ろうと考え始めるのです。エリック・ツァンはすごいマフィアのボスであり…(彼が以前も演じてきた役柄ですね)彼が以前演じたのは表面だけのもので、今回は非常に聡明で、いかにしてマフィアの事業を発展させるか知っている役です。殺し合いをするだけではなく計画性があるのです。今回はさらに謀略があり、頭脳明晰ですが、愛情の芝居はありません。アンソニー・ウォンは警察署の警察官です。
記者:聞くところによると、トニー・レオンの今回のキャラクター造型には少し(キャラクターの捉え方の)違いがあり、彼は満足していないとか?
ラウ:いいえ、彼のキャラクター造型はとても彼の身分に合っていていいですよ。王家衛の以前の作品のようなものとは違います。今回の彼はとてもクールに、とても冷静な様子で演じています。
記者:彼はインタビューで、本来は少し笑いを帯びた感じで演じたかったが、最後にはあえて冒険をしなかったと言っていますが?
ラウ:当然笑みを浮かべるときもあります。しかしこの作品の全体には、ハイテンションのところもそうでないところもあります。私は彼の演技はとてもよかったと思っています。最も難度の高いシーンの、彼がアンディ・ラウがスパイであったと気づいた直後のシーンのようにです。彼は警察署を出て、至るところにアンディの手が伸びていると心配し、警察に通報したのがよかったのかどうか分からなくなります。この種の心理状態を演じるのは(トニーならではの)見事な技量です。
記者:トニー・レオンの以前の役柄も多くがクールなもので、感情の起伏が乏しいものでした。今回はどうですか?
ラウ:シーンによります。時にはとてもクールで、時にはとてもいたずらっぽいのです、半々です。(全体的に人物をクールに統一しないのですか?)しません。

記者:アンディ・ラウは全体的にどのように演じていましたか? トニー・レオンに比べると?
ラウ:二人とも素晴らしい演技をしてくれました。アンディが今回演じた役は、一日中、内心ビクビクし、人にマフィアのスパイだと暴かれることを恐れているのです。10年間警察にいて、よい人になるべきだと考えています。マフィア組織のコントロールから離れたい心理状態を演じるのはとても難しく、普通の警官とは異なります。彼は用心深く後先を考えなければならないのです。トニー・レオンもそうです。二つの役柄は相似形で、ただ身分が正反対なのです。
記者:以前のアンディ・ラウの作品はハンサムなルックス(あるいはカッコよさ)が売りでしたね。今回はそうではないのですか? 人は「暗戦 デッド・エンド」を連想しますが?
ラウ:当然ハンサム(あるいはカッコいい)な点もあります。しかしパジャマを片付けるシーンを、キレイかどうかと言いますか? 全体の風格は「暗戦」に比べてさらに漂う点を加えています。どの場景にも配慮しているのです。アンディ・ラウとエリック・ツァンとの演技と、彼と警察署内の同僚との演技を比べると、異なる両種の演技表現をしています。具体的な情況によって根拠が定まるのです。
記者:エリック・ツァンとアンソニー・ウォンの演技は単純ではないですか?
ラウ:主役を設定したときにとても複雑になったので、周辺の人物まで複雑にしようとは思いませんでした。
記者:二人の影帝に(実力を)発揮する見せ場を与えなかったのですか?(→愚問)
ラウ:発揮していませんか? どのシーンでもとても難しい演技をこなしていましたよ。ある場面ではエリック・ツァンが捕まり、警察署内でアンソニー・ウォンと対峙します。あのシーンは本当に二度と撮れないほど素晴らしかった。
記者:以前、誰もがアンソニー・ウォンは演技は素晴らしいのに「チケットオフィス・ポイズン」(入場券が売れない毒薬=観客動員できない俳優を指す)と呼びました。あなたはどのように見ますか?
ラウ:誰もが「チケットオフィス・ポイズン」になりえます。チョウ・ユンファ周潤發もそうでした。トニー・レオンも以前はそうでした。毎回出演した映画によって、興収が悪く結果が悪いと俳優が「毒薬」と言われてしまうのです。
記者:4人の影帝の演技がとても精確になり過ぎると火花が散らず、かえってワンパターンになりがちではありませんか?(→意味不明)
ラウ:絶対にそうはなりません。私は図式化した演技の人には反対で、生活感のある演技が好きです。演技をするとはある人になりきることです。私は映画でメソッドのある演技を見せようというのではなく、俳優が観客との距離を近くするべきだとわかっているだけなのです。セリフはもちろん、演技でも多くのものを使いますが、絶対に(それは)生活の中で見出せるものなのです。
2大歌后:”スープを作るには塩を入れる必要がある”
記者:今回サミー・チェンとケリー・チャンはどのような役柄を演じるのですか?
ラウ:サミーはアンディ・ラウの恋人に扮します。4、5シーンの出番があります。彼女は作家で、劇中で人間性に関する小説を書いています。まさにアンディ・ラウが劇中で体現している多重性格(の人物)をです。サミーはラストになって、彼がスパイであることを知るのです。
ケリーはカウンセラーで、トニー・レオンはスパイになった後異常心理に陥ったと警察に疑われ、ケリーの元に送られるのです。ケリーも最後にはトニーがスパイだったことを知ります。
記者:サミーは以前、神経質なキャリアウーマン役を何度も演じました。今回の作家もメガネをかけてそれらしく人に信じさせるのですか?(→愚問)
ラウ:(メガネは)必要ありません。役者はそれらしく演じる必要があればそうすればいいのです。私たちはその作家の原型(モデル?)を参考にするだけです。
記者:このような男性が主な映画で、女性の役は必要なのでしょうか?
ラウ:当然、スープを作るには塩を入れる必要がありますね、でないと味気ない。だから女優がある種の化学作用を起こすのです。当然映画は男性論理を語りますが、女性の役柄もよい見どころになります。
記者:エディソン・チャン陳冠希はアンディ・ラウの少年時代を演じ、ショーン・ユーはトニー・レオンの少年時代を演じますね。二人はメイクする必要がありますか?
ラウ:必要ありません。我々はただ見かけと気質を統一するだけでよいのです。1、2シーンで彼らはそれぞれに有利です。ショーンの見かけはトニーに似ていません、むしろ發仔(チョウ・ユンファ周潤發)のようです。我々はちゃんと育成してみます、未来のスターになれるかどうか言うことはできませんけどね。
まとめ:”最も満足なのは各方面との連携がとてもうまくいったこと”
記者:警察とマフィア、あるいはマフィアの犯罪映画では多くの(爆発シーンや合成などの)特撮場面を見ることができます。今回の映画ではそういうシーンは出現するのですか?
ラウ:今回は、私は多くの神秘的なものを投入することはしませんでした。私たちは絶対に商業映画を撮るのですが、今回最も突出させた点は、どんな(CGや特撮)技術もこの作品に融けこませたことです。我々は人間関係のドラマを主に表現しました。特撮は特に用いようとは思いませんでした。10数分の特撮部分がありますが、観客がそれと気づくことはないでしょう。飛んだり、殴ったり、爆発したりの類ではなく、物語にうまく組み合わせたのです。《無間道》の意味を解釈する部分は、比較的画面が美しく撮れています。
記者:映画の結末は悲劇なのですか?
ラウ:とても悲しいです。生きる者あり死ぬ者もあり、二人の男性主役のうち一人が生き残り一人が死にます。
記者:映画では最後は必ずマフィアの人物は死ぬべきだということですか?(→愚問)
ラウ:そうではありません。我々のテーマ「無間道」には2つの意味があるのです。映画の中で言う涅槃経第8巻にある《無間地獄》は、最も苦しいのは生を超えられないことだという意味です。しかし結末に我々はまた別のテーマを提出しました。長寿は最も辛く苦しい一つの懲罰だと。不死は必ずしも快楽ではなく、死も必ずしも悪いとはいえない、死はもしかしたら長寿よりもマシなのです。
記者:撮影が終わったいま、どの部分が最も満足できますか?
ラウ:最も満足できたのは、各方面との連携がとてもうまくいったことです。将来あなたが最初に見るかどうかわかりませんが、細心の注意を持って映画を噛みしめれば噛みしめるほど、多くのものが現れてくるでしょう。音楽にしてもそうです。今回は、北京で100人の合唱団を探してきて起用するという前例のないことをしました。撮影もそうです、クリストファー・ドイルに指導を依頼しました。とても多くのものを連携させたのです。
記者:あなたはこれは監督よりも俳優の映画だと思いますか?
ラウ:監督も多くを付け加えましたが、俳優とのお互いの連携によるものであり、監督にとっては一つの試練でした。多くのシーンで、雰囲気を調整して緊迫したムードにすることは監督の手腕にかかっていましたから。
記者:ヒットすると思いますか?
ラウ:どのくらいヒットするかはわかりません。私は一つの美しい作品を撮ろうと考え、力を尽くしました。これがしばらくは私の最もよい作品になるでしょう。しかし私は自分自身を突破し各方面を満足させる必要があるのです。
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