Cats&Dogsタイトル

※左のCats&Dogsアイコンをクリックすると、トニーが吹き替えした台詞が聞けます。
 台詞の日本語訳を読みながら、トニーの声の妙技に耳を傾けてみましょう!

=ミスター・ティンクルズ。純白のペルシャ猫。世界征服の野望を抱き、イヌ世界を撲滅させる陰謀の首謀者。
=ティンクルズの部下のキャリコ。茶トラのエキゾチック・ショートヘア。間抜けな叱られ役。
=巨体のハウスキーパーのソフィー。人間。
ルー= この映画の主人公であるポケット・ビーグルの子犬。ブロディー教授一家を守る使命を帯び、ただいまエージェント目指して修業中。
ブッチ=ルーの隣宅の裏庭に住む、アナトリアン・シェパード犬。たえずルーを助け導く、ベテランのプロエージェント。

01:メイソン氏邸での猫の作戦会議

 
大広間にはろうそくの炎の下、ディナーの用意ができている。居並ぶのは客ではなく猫たち。
 主人の席には真っ白なペルシャ猫のミスター・ティンクルズが座っている。猫たちの大ボスである。

T:
「誰が私に報告するのだ? あの子犬はどうした? 私の巧妙な罠は役に立ったか? 誰も知らせを受けていないのか? ん? 誰も私に報告する必要がないのか?(キャリコに向かって) おまえ!」
C:
「!!!」
T:「おまえが報告しろ! どんな様子だ?
(キャリコに駆け寄り睨む)あの子犬はまだ生きているのかっ!」
C:「い、いえ、いません」
T:「ほう、よかろう。子犬は死んだ。いまは…」
C:「ちょ、ちょっとお待ちを。返答を訂正できますか?」
T:(いぶかしげに振り向き)あの犬コロは死んでいないのか?」
C:「だって一緒にいた別の犬が、子犬に爆弾だと教えてしまったんです」
T:「一緒にいた別の犬だと?」
C:「しかしまあ、地下研究室に近づくのは問題ありません、誓います、な、そうだろ? みんな?」
 ほかの猫もいっせいにハイ、ハイとうなずく。
猫たち:「当然です、問題ありません! 絶対可能です!」
C:「ご覧になりましたでしょ? 黒雲計画は順調に進行中です」
T:(きっとなって)黒雲だと? 私が名づけたのはそんな作戦名だったか? 黒雲か?」
C:「(青ざめて)もちろん違います、あなたがおっしゃったのは…(言葉に詰まる)」
(別の猫が)「黒色風暴(黒い嵐)だよ!」
C:「あっ黒い嵐でした!」
T:「黒・い・嵐。(みな口々に同意する) 違いない。猛り狂う黒い嵐のように、私は自らのパワーを世界中に示すのだ。そして静かな霧のように、犬どもの権力の中枢へと忍び寄るのだ。彼らは私の名を聞いて恐れおののくことだろうっ!

(トニーの声はここまでです)

 居間の扉がバタンと開く。ぎょっとする猫たち。メイドのソフィーがのしのしと入ってくる。
ソ:「ミスター・ティンクルズちゃあん!」
T:「だああっ!」
 一斉にテーブルから降りて隠れる猫たち。
ソ:「あなたはどおこ? あーらそこにいたのね、ミスターティンクルズちゃん。探しまちたよお」
 ティンクルズを抱き上げるソフィー。
ソ:「メイソン様があなたに会うときっと喜ぶわ。私が連れてってさしあげましょうね」
 ソフィーの肩に抱き上げられ、うなるミスター・ティンクルズ。その背中を匂ってのけぞるソフィー。
ソ:「んまあ! 臭い! 何て臭い猫ちゃん! まずはお風呂でちゅよ、ちゃんとキレイキレイに洗いまちょーね」
 テーブルの下で笑う猫たち。
猫A:「ミスター・ティンクルズ、耳の後ろを洗うのをお忘れなく!」



02:バスルームで

 泡まみれにしてミスター・ティンクルズを洗っていたメイドのソフィーが、首につけるおリボンを探しに出て行く。洗面台から、びしょ濡れのまま飛び降りるミスター・ティンクルズ。

T:
(ソフィーのことを)まったく、私が世界を征服したら、メッタ斬りにする1人目はおまえだ!」
 隠れていたゴミ箱から這い出すキャリコ。ゴミ箱には「核廃棄物」のステッカー。
C:「濡れねずみの方が痩せてみえますよ」
T:(睨みつけて)2番目は貴様にしてやろうか?」
C:「本気で言ってるんですよお」
T:「あああ、残されたのはあと数日だ。上の階の、病気のヨボヨボじじいのペットをやってるのは私の計画の重要なポイントだが、しかしこのような屈辱を受けるのは耐えられない!(キャリコに向かって)わかったか!」
C:「??」
 きょとんとしているキャリコ。
T:(いまいましげに)まったくもう。まあいいだろう、あの子犬はもはや今夜限りの命だ。忍者猫を放て!」




※「ジンギスカンがかぶったか? いいや! フン族大王のアッティラは? きっとかぶってない! かぶったとしても毛皮帽だろうよ」のところは中国語字幕から訳出。トニー自身は違う人名を言ってたみたいです。しかし聞き取れない…(ーー;)

03:ベッドの上で

 メイドのソフィーに抱かれ、飼い主のメイソン氏のベッドの上に下ろされるミスター・ティンクルズ。頭に赤ん坊のようなピンクのフリル付き帽子をかぶらされている。メイソン氏はいまだ昏睡中。ソフィーが話し掛けるうちに心臓が止まりかけるが、ソフィーはすかさず主人の胸を一撃、見事蘇生させた。ソフィーはティンクルズを置いて出て行く。

T:
(辛抱もここまでと、かぶらされた花柄帽子を叩きつける)悪の帝王がフリフリ帽なんかかぶれるか!」(帽子を叩きつける)
 バイオハザードのステッカー付き真っ赤なゴミ箱から、キャリコが這い出てくる。
C:
「どうなさいました? 彼女は行っちまいましたか?」
T:「ジンギスカンがかぶったか? いいや! フン族大王のアッティラは? きっとかぶってない! かぶったとしても、毛皮帽だろうよ。あるいは黒いフリル帽子か?
(メイソン氏の食事の蓋を開けて)まあいい、忍者猫は失敗した。私は失敗は許さんと言ったはずだ!」
 
食事の蓋を音立てて置く。後ずさるキャリコ。
T:「だから忍者らが再びあの薄汚い顔を出したら、どうするかおまえにはわかっているな」
C:
「わかっています。彼らにきちんと爪を研いで、シャワーを浴びろと言ってやります。リンリン、ハロー?」
T:「そんなことじゃない、奴らを始末しろと言っているのだよ!
(テーブルを叩く)
C:
「で、でも彼らは電話に盗聴器をうまくセットしましたよ。ガラスコップにまだ半分は水が入ってるようなもので…」
 
唸るティンクルズのどアップ。手にしていたスコーンを投げつける。悲鳴を挙げるキャリコ。
C:「あっ、私は楽観的過ぎて」
T:「笑顔で事態に対応するべきだと言うのだな。わかったよ。実に興味深い哲学だ。(激昂して)我々が世界を統治すべきなのを忘れたのかっ!!(ティンクルズの怒鳴り声と共に、雷鳴がとどろく。)
T:
(ミルクの紙パックを抱え)時間がないのだ。過ちはもはや許されない。明日、ロシアンブルーを派遣しろ」





「はあ? I'm not injudicious(私はそんなにノータリンではないよ),ソフィー」
 のところ、トニーは元の米国版の台詞にもない英語を使ってます。わざわざはあ? と聞き返し、ここだけ英語で言うのは、イヤミっぽく思わせるため?(^_^;)

04:ついに正体明かす

 メイソン氏のベッドの上で、キャリコと身を寄せ合ってヘッドホンをかけているミスター・ティンクルズ。旧式のカセットレコーダーからは、ブロディー教授の声が聞こえてくる。教授は電話で、犬アレルギーの治療薬がついに完成したと報告しているのだ。

T:
「こればかりは許しがたい。すぐに行動しなければ、永遠に取り返しがつかん。おまえは私が何を言ってるかわかるか?」
C:
「だ、誰が? 私ですか?」
T:「私の話を注意して聞いていないのか!」
C:
「な、何を怒っておられるんで?」
T:「そうだとも、怒りのあまり死にそうだ!
(殴ろうとする。あわてて身をすくめるキャリコ)このバカで!間抜けで!どうしようもない…」
 
メイドのソフィーが寝室に入ってくる。
ソ:「ミスター・ティンクルズちゃーん」
  急いでカセットレコーダーからテープを取り出し、くわえて身を隠すキャリコ。ソフィーは何も気づかずベッドに近づく。手には彼女が着ているのと同じ、メイドの制服のミニチュア版。渋い顔のティンクルズ。
ソ:「ホホホ、私があなたのために何を用意したか当ててごらんなさいな? あはは、これで私たち、おそろいよ」
T:「はあ? I'm not injudicious type (私はそんなにノータリンではないよ),ソフィー。おまえとは違う」
 
目を剥くソフィー。
T:「おまえのおままごとには付き合えないよ。どうしたね、デブババア? (ニヤリとする)舌を猫に噛まれたのかね? トン! おやまあ、猫が話せるの? どうだいトッテモ怖いだろ?」
 
驚きのあまりあえぎ、悲鳴をあげ、地響きを立てて気絶し倒れるソフィー。
T:「彼女をクローゼットへ押し込んでおけ。急がねばならん。
(高らかに)今度こそ絶対に成功させるのだ!