97年の"中国回帰"以来、香港人の英語能力低下が社会的に問題となりました。香港人が国際社会または香港内の競争社会で勝負し、また観光客を迎えて商売していくのに、英語能力は不可欠です。そこで香港特別行政区政府は2000年2月28日から「
職業英語活動」を繰り広げることを決定したのです。
香港の4大企業「キャセイ・パシフィック航空/國泰航空公司」「香港中華ガス有限会社/香港中華煤氣有限公司」「地下鉄会社/地鐵公司」「永隆銀行」が、真っ先にこの活動を支援しました。
「職業英語培訓資助計画」を推進する総額5千万ドルの語文基金も新設され、栄えある最初の「宣伝大使」に選ばれたのが、国際的スターであり、この年の5月にカンヌ影帝となったばかりのトニーでした。

テレビCMは「アラジンと魔法のランプ」が下敷きに。インディ・ジョーンズのように地下遺跡に降り立ち探検する若者が、古いランプを拾って何気なく磨くシーンから始まります。ランプの精に扮したトニーがまばゆい光と共に出現し、英語で質問しますが、どぎまぎする若者は口ごもってしまいます。無情にも「Sorry,Sir.タイムズアップ!」を宣言するランプの精。
そこへ上から飛び込んできたトニー自身。若者と同じように魔法のランプを磨き、ランプの精を呼び出します。ランプの精の英語の質問は「あなたは何になりたいですか?」。トニーはとっさに機転をきかせ「I
want to be You!(君になりたい)」と答えます。するとトニーの服が輝き出し、ランプの精と同じ純白スーツに。魔法のステッキを片手に、してやったりと微笑むトニーなのでした。2人の白衣のトニーを前に、腰を抜かしたままずるずると後退する、情けなーい若者…。

実際の映像は、
こちら>>
このCMは8月29日からゴールデンタイムに放送されました。トニーはこの活動の賛助者の立場でこうコメントします。
「現在はハイテク社会だ、1種類でも多くの言語を学べば自分にとってとても有益だ。個人の競争力も高められるし、海外の俳優やスタッフと一緒に撮影する場合も、コミュニケーションに役立つよ」。
8月29日、職業英語運動督導委員会の田北辰主席と一緒に尖沙咀で記者会見したトニーは、主席から撮影に用いられた記念ステッキを授けられ、感謝状も授与されました。
記者がトニーに「いかに英語を学ぶべきですか?」と質問すると、彼自身は(英語学校に)進学しなかったけれど「もしも難題があれば友人に教えてもらうのを恥ずかしがらないこと、決してためらわないこと」だと答えました。語学習得は生まれつきの才能ではない、最も重要なのは心を用いて学習することだと彼は信じているのです。トニーは英文幼稚園で学び、幼くして英語の基礎を確立しました。成長してからは英文書を読むのが好きで、英語の学習に大いに役立ったそうです。
もっとも彼はこの段階では(今も?)、ハリウッドなど海外の映画界に進出することは考えていないのでした。
なお、トニーに続き、一年置いて2002年度の宣伝大使に選ばれたのは、日本・神戸の国際学校カネディアン・アカデミーに通い、ニューヨーク留学経験もあるケリー・チャン陳慧琳でした。
▲TOP